マイクロコピーとは、ユーザーが何かを操作する途中で目にする言葉のことです。ボタンのラベル、入力欄のヒント、エラーメッセージ、変更が保存されたことを知らせる完了テキストなどがこれにあたります。短さゆえに、正確さが何より重要です。わずか数文字の言葉が、「次に何が起きるか」を伝える唯一の手がかりになることもあります。
「使ってみる」と「申し込む」は、汎用的なボタンの改善案として単純に入れ替えられるものではありません。前者はプロセスの始まりを連想させ、後者は確認のために情報を送信することを意味する場合があります。最も適した言葉遣いは、プロダクトが実際に実行するアクションをそのまま表現するものです。
利用される「その瞬間」に合わせて書く
その時点でユーザーが知るべき情報から始めましょう。入力欄のラベルは何が求められているかを示し、ヒントは馴染みのない条件をわかりやすくし、確認メッセージは結果を伝えます。ひとつの短いテキストに、関係のない複数の役割を背負わせないようにしましょう。
アカウント設定のフローを例に挙げると、招待メールを送るアクションなら「同僚を招待する」としたほうが明確です。「同僚を追加する」だと、すぐにアクセス権が付与されると受け取られるかもしれません。その招待でどんな権限が付与されるのか、後から変更できるのかは、前後の補足テキストで説明できます。
社内用語ではなく、リサーチに裏付けられたユーザー自身の言葉を使いましょう。コピーのテストで表現を検証するのも有効ですが、配置や表示順が解釈に影響を与えるため、機能的なテキストは実際のインターフェース上でもテストする必要があります。
エラーには次につながるアクションを示す
GOV.UK Design Systemのエラーガイダンスでは、何が問題で、どう修正すればよいかを説明することを推奨しています。「未来の日付を入力してください」なら次にどうすべきかがわかりますが、「エラーが発生しました」では、ユーザーのミスなのかサービスの不具合なのかすら伝わりません。
ユーザー自身で解決できない不具合は、入力内容の不備とは異なる言葉遣いにする必要があります。何が起きたのか、判明している範囲でどのデータが保持されているか、そして次に何ができるのかを伝えましょう。サービス自体がダウンしているときに「再試行してください」と促し続けたり、実際に保存されていないデータを保存されたかのように見せたりしてはいけません。
トーン&マナーはその場の状況に合わせるべきです。デザインレビューでは親しみやすく思えた遊び心のあるフレーズも、大事な作業を妨げている場面では単なるストレスにしかなりません。
「実際の操作」を通して理解度をテストする
参加者に現実的なタスクシナリオを実施してもらい、どの言葉が助けになり、どこで迷いが生じたかを観察しましょう。「このボタンを押すとどうなると思いますか?」と尋ねることで、重大な操作を実行する前に認識のズレを見つけることができます。
「どちらの表現が好きか」を聞くだけでなく、正しく理解できたか、迷わず操作を完了できたか、エラーから復帰できたかを評価してください。評判のよいラベルであっても、誤った期待を生んでしまうことはあります。一連の体験を通じて関連用語の統一感を保ちつつ、判断が必要なポイントには十分な説明を用意しましょう。簡潔さは不要な読書の手間を省く上では有用ですが、安心して進むために必要な情報まで削ぎ落としてしまっては意味がありません。
