用語集

フォーカスグループ

用語集

フォーカスグループ

フォーカスグループ

フォーカスグループとは、参加者が一緒に特定のテーマについて掘り下げる進行役付きのディスカッションであり、調査者は参加者の意見だけでなく、参加者同士のやりとりも観察することができます。

フォーカスグループは、モデレーターの進行のもと、参加者が集まって特定の体験、コンセプト、課題について話し合う手法です。参加者同士がお互いの話を聞き、質問し、意見を戦わせ、対話を通じて考えを深めていきます。こうしたやり取りそのものが重要な手がかりであり、後から切り捨てるべきノイズではありません。

この手法は、共通の言葉遣いや社会的な期待感を浮き彫りにするのに適しています。一方で、ユーザーが自力でタスクを完了できるかを確かめるのには向いていません。それには適切な環境下での利用実態を観察する必要があります。

議論する価値のある問いを選ぶ

Nielsen Norman Groupのフォーカスグループに関するガイダンスでは、意識に関する議論とユーザビリティの観察を明確に区別しています。グループ形式なら家計簿サービスに人々が何を求めているかを探ることはできますが、画面を見て会話が盛り上がったからといって、その画面が使いやすいことの証明にはなりません。

たとえば家計管理に関するリサーチなら、参加者同士で光熱費の分担方法を比べ合ってみるのもよいでしょう。自分とは違うやり方を知ることで、当たり前だと思い込んでいた前提について語り始めるきっかけになります。モデレーターは、グループに1つの正解を出させようとするのではなく、その違いを掘り下げていくことができます。

グループの構成は意図を持って決めましょう。共通の体験があると会話が弾みやすくなりますし、違いがあればそこから有益なギャップが見えてくることもあります。人事評価を行う上司と部下を同じグループにするなど、本音を話しづらくなる組み合わせは避けましょう(その関係性自体がリサーチの意図的な対象である場合を除きます)。

声の大きい人だけの場にしない

トピックを絞りつつも自由な回答を引き出せるインタビューガイドを用意し、予想外の話題を深掘りできる余白を残しておきます。控えめな参加者にもプレッシャーを与えない形で会話に加わってもらい、誰か1人の体験が全員の前提になってしまわないよう場をファシリテートします。


事前の個人ワークとして紙に意見を書いてもらうと、議論に流されない最初のリアクションを保つのに役立ちます。セッション中に参加者の意見が変わった場合は、どちらが本音かを決めつけるのではなく、何がきっかけで変化したのかに注目しましょう。

守秘義務の範囲と限界については事前に説明しておきます。リサーチチーム側で記録の扱いを管理することはできても、参加者全員が聞いた話を他言しないとまでは保証できません。プライベートでデリケートな体験については、デプスインタビューで掘り下げるほうが適している場合もあります。

意見の相違も含めて会話を分析する

話題がどのように展開したかに着目しましょう。誰がその話を切り出し、誰が疑問を投げかけ、どんな具体例が挙げられたかを見ます。沈黙にはさまざまな理由があり、一見同意しているように見えても、その場の空気に合わせただけのこともあります。

少人数のグループで賛同した人の数を、そのまま母集団全体の割合のように捉えてはいけません。どのような文脈でどんな意見が出たのか、その幅をレポートし、普及率や個人の自発的な行動データが必要な場合は別のリサーチ手法を組み合わせましょう。フォーカスグループの真価は、単なるアンケートの数値評価では見えてこない背景を、議論のプロセスを通じて解き明かすところにあります。

おすすめの関連記事

記事

  1. フォーカスグループ — ニールセン・ノーマン・グループ
    グループディスカッションがユーザーリサーチにどのように貢献し、どこに限界があるのかを解説しています。「好みの議論」を製品の使いやすさの根拠としてしまう前に、一読する価値があります。