一覧の中から名前を見分ける(再認する)ことは、必要になったときにその名前を思い出す(再生する)よりも簡単です。どちらもブランド調査では重要ですが、表している認知の性質は異なるため、同じ結果として報告すべきではありません。
ブランド認知とは、関連する文脈において人々がそのブランドを「見覚えがある」と認識できるか、あるいは「思い出す」ことができるかに関わります。Qualtricsの認知度測定ガイドでは、助成想起(プロンプトありの再認)と純粋想起(プロンプトなしの再生)を区別しています。ブランドはある環境ではよく知られていても、別の環境ではほとんど無名ということもあるため、対象読者やカテゴリー、利用シーンを明確にして測定することが役立ちます。
ブランド名を提示する前に純粋想起を尋ねる
純粋想起(助成なしの認知)では、リストを提示せずに思い浮かぶブランドを尋ねます。最初に挙がったブランドはトップオブマインド(第一想起)として報告されることが多く、関連するブランドが挙がればすべて純粋想起としてカウントできます。その上で、助成想起によって具体的なブランド名を知っているかどうかを尋ねます。
質問の順番は重要です。調査の早い段階でブランド名を目にすると、その後の想起の質問に影響(バイアス)を与えてしまいます。これはアンケートの案内文や、手前のコンセプト評価に名前が含まれている場合も同様です。認知を尋ねる質問自体の順序だけでなく、参加者の募集文やアンケート全体の文脈にも気を配りましょう。
カテゴリーの表現方法も回答を左右します。例えば、「リサーチツール」と尋ねると、「ウェブサイトのナビゲーションを検証するツール」と尋ねるよりも幅広いブランド名が挙がる可能性があります。どちらの表現が本質的に正しいというわけではなく、それぞれ異なる裏付けになるということです。後から比較して分析できるように、どのような言葉遣いで質問したかを記録しておきましょう。
「知っている」だけではわからないこと
認知されているからといって、正しく理解されている、信頼されている、あるいは選ばれているとは限りません。不快な体験が理由で覚えていることもあれば、名前が似ている別の企業と混同していることもあります。追加の質問を用意することで、それぞれの指標を混同させることなく、親しみやすさやブランドイメージ(連想)を掘り下げることができます。
ウェブサイトのトラフィック、検索ボリューム、SNSでの言及などは有益な背景情報になりますが、特定の母集団を対象とした調査による認知度の推定値とそのまま置き換えられるものではありません。これらはそれぞれ特定の行動や接触機会を反映しているに過ぎません。たとえば言及数が増えたとしても、それだけでポジティブな話題になっているとは判断できません。
継続的に測定を行う場合は、ブランドトラッキングを通じて一貫したアプローチを用い、サンプルのカバー範囲や誤差の幅を報告しましょう。キャンペーンに関する調査であれば、広告効果測定を行うことでメッセージとブランドが結びついているかを検証できます。また、純粋な増分効果(インクリメンタルな効果)を測定するには、適切な実験デザインが必要です。
認知度は、ブランドの立ち位置を把握するための優れた出発点です。人々が実際に選択する場面や、「このブランドが何を提供してくれるか」という顧客の認識と結びつけることで、実務に役立つ意味が見えてきます。
