ユーザーがアルバムから写真を削除するとき、何が起きたと認識しているでしょうか。元の写真はライブラリに残ると思っているかもしれませんし、すべてのデバイスから消える、あるいは後で完全に削除できるゴミ箱に移動すると思っているかもしれません。同じアクションでも複数の解釈が成り立ちうるため、インターフェース側がその意味を明確に示す必要があります。
メンタルモデルとは、あるものがどう機能するかについての個人の理解です。その理解が不完全だったり不正確だったりしても、結果を予測し、次に何をすべきかを判断する助けになります。プロダクトデザインで問われるのは、その理解がタスクの遂行やその結果を受け止めるために十分かどうか、という点です。
人はあらかじめ自分なりの解釈を持ってやってくる
保存や共有、削除、検索といった操作を、初めてそのインターフェースで経験する人はほとんどいません。過去に使ったプロダクト、仕事上の習慣、日常的な言葉遣いなどが、そうしたアクションの意味を形作っています。そしてプロダクト側は、ラベルや画面上の状態、フィードバックなどを通じて、さらなる手がかりを提供します。
ニールセン・ノーマン・グループによるメンタルモデルの解説では、同じシステムであっても人によって捉え方が異なりうる点が強調されています。そのため、「ユーザーのメンタルモデル」と一括りにするのは、誤解を招く表現になりかねません。新規ユーザー、管理者、他のプロダクトから乗り換えてきたユーザーでは、同じ操作要素でも解釈が異なる場合があります。
たとえば架空のフォトサービスにおいて、「アルバム」という言葉は、中に写真そのものを保持する入れ物を想起させることもあれば、別の場所に保存されている写真への参照の集まりを想起させることもあります。もしシステムが後者の設計であるなら、項目を削除したときに何が影響を受け、何が影響を受けないのかを明確に伝える必要があります。単に「削除しますか?」と繰り返すだけの警告では、根本的な不安は解消されません。
重要な局面での予測・期待をリサーチする
関連するタスクを観察し、ユーザーの予測や驚き、やり直しの試みに耳を傾けましょう。思考発話法(シンクアラウンド法)を用いれば、操作中に何を期待しているのかを明らかにできますが、言葉で説明を求めること自体が操作を通常より慎重にさせてしまう側面もあります。
その瞬間にフォーカスしたフォローアップの質問も有効です。写真を削除した後に何が残ると想定していたのか、画面の何を見てそう判断したのかを掘り下げます。その回答を、実際の操作やその後の状態と比較してみてください。一度クリックを誤ったからといって原因が1つとは限りません。すぐに固定的なメンタルモデルのせいだと決めつけないことが重要です。
カードソーティングは人々が情報をどうグループ化するかを探るのに適しており、ツリーテストは想定した階層構造を迷わず移動できるかを検証できます。これらは理解の特定の側面を捉える手法であり、権限やストレージ、因果関係についてユーザーが抱く認識のすべてを明らかにできるわけではありません。
モデルを形作る体験そのものを見直す
認識のズレが繰り返し起きる場合は、言葉遣いと挙動の両方をあわせて見直します。表現をわかりやすくするだけで済むこともあれば、システムのルール自体が不必要に説明しづらい構造になっていることもあります。たとえばアルバムを共有すると今後追加される写真へのアクセス権も付与される仕様なら、権限を渡す時点でその継続的な関係性が理解でき、その後も確認できるようにしておく必要があります。
システムを既存のあらゆる期待に完璧に合わせることは、常に可能とも適切とも言えません。新しい機能には学習が伴うこともあるからです。ずっと覚えていなければならないチュートリアルに頼るのではなく、一貫した説明と役立つフィードバックを提供し、予見できるミスからのリカバリー手段を用意することがデザインには求められます。
見直したインタラクションは、実際のターゲット層でテストしましょう。重要な指標となるのは、ユーザーが自信を持って操作できる程度に結果を予測でき、必要に応じてリカバリーできるかどうかです。デザインがユーザーを適切に支えていることを示すために、プロダクトの内部アーキテクチャまでユーザーが説明できる必要はありません。
